ネイルサロン 表参道の悩みどころ
協力者は、自社との取引を通して手元に利益を残すことができ、自社も顧客への販売を通して利益を獲得することができる。
そして、顧客も購入した製品から支払ったお金以上の便益を得ていなくてはならない。
三者が各々得をするこういったビジネス・モデルであれば、どんどんお金が回り成功する。
一方、競合相手は顧客に対して、より得をする製品を販売することで、自分のビジネス・モデルに顧客を誘い込もうとする。
もし、顧客が競合相手に移ってしまうと、このモデルは回らなくなり、赤字会社となって崩壊する。
これが基本だ。
それでは、最近、話題に上るビジネス・モデルをこの枠組みで表してみよう。
Yを例にあげる。
図8に示すように、Yはホームページを使って顧客に利便性の高い情報を提供する。
ただし、顧客からはお金を一切受け取らない。
では、どこからお金を受け取るかというと、協力者から広告料収入や紹介手数料として受け取るのである。
Yは、協力者からの収入の方が顧客へ情報を提供するための費用よりも多ければ、利益を確保できる。
協力者はなぜYにお金を支払うことができるかというと、Yのホームページで広告を見たり、紹介されたりした顧客が協力者の提供する製品やサービスを購入し、利益が手元に残るからである。
それを元手にしてYにお金を払うわけだ。
一方、顧客にとっては、購入した製品やサービスで得をするほか、情報の利便性やYの紹介によるディスカウントによってよりお得感を感じる仕組みである。
今のところ、一日数千万人というホームページへの訪問者を支えに、このビジネス・モデルは「三方一両得」のままうまく回っている。
このYに代表されるビジネス・モデルは、インターネット以前から日本に存在していた。
リクルートの「リクルートブック(大学生向けの就職情報こは、協力者(取引先)である企業から情報と掲載料をもらい、本(冊子)にして顧客(大学生)へ無償で配布する。
企業側は、学生からの資料請求や自社への応募状況を見て損益が黒字であることを確認し、翌年またリクルートへ発注するというモデルである。
例でわかるように、本来ビジネス・モデルとITは別物である。
ITを使わなくても成立するビジネス・モデルは存在する。
ただし、日本の大学生というかぎられた顧客ではなく、世界中の個人を相手にするYのようなビジネス・モデルは、インターネットなしでは成立しない。
さらに、これを人手にまかせて行うと、Yの損益が真っ赤な赤字になることは想像に難くない。
つまり、一方でITによりコストが下がったり利便性が上がることで成立できるビジネス・モデルが存在するということである。
しかも、インターネットの存在が、ビジネスの広がりを圏内レベルから世界レベルに拡大している。
この点が、ITがもつ大きな効果だと言える。
応用として、初期のAのモデルを図9に表してみよう。
Aはホームページ上に店舗を聞き、巨大な書籍のデータベースに書評などの付加価値情報をつけ、顧客に提供する。
顧客は、利便性を事受し、本のオーダーをAに出す。
Aは、そのオーダーを協力者(取次店)に回し、協力者は自社の倉庫から本を顧客宛に出荷する。
本を受け取った顧客はAにお金を支払い、Aは本の仕入代金と配送料を協力者に支払う。
このモデルのポイントは、A自身は本の在庫も倉庫ももたずに顧客への情報提供のみを行う「もたない経営」を貫いていた点にある。
そのため、三者が各々、利益を出してビジネス・モデルが回っていくことが期待されたのである。
ところが、既存の大手書店との価格競争や、顧客の配送サービスに対する要求の高度化が、「もたない経営」を困難にした。
今や、Aは自社倉庫をもっ存在になっている。
そうなると、収支計算が変わってくるはずだ。
本の価格を上げるか、顧客一人当たりの売り上げを増やせないままに、設備投資がのしかかってくると、赤字を続けることになる。
ビジネス・モデルとはあくまでも「お金儲けの仕組み」である。
それが実際にお金を継続的に生み出すか否かは、現実のビジネスに置き換えるときにどのような経営戦略を採用し、業務を行うかにかかっている。
同じビジネス・モデルを採用しても、経営戦略により、ビジネスとして成立するか否かが変わってくる。
「顧客にお金を貸して、利子をとり、儲ける」という金融サービスの基本的なモデルは同じでも、相手が大企業か中小企業か、裕福な個人か低所得の個人かによって、利益の額も違えば事業のリスクも異なる。
この「ターゲット顧客を誰にするか」が、経営戦略という観点からはきわめて重要な要素である。
それによって、販売チャネルや価格、求められるサービスレベルも異なってくる。
特に、何を実現すれば競争優位を得られるかという重要成功要因(CSF)を分析するにあたって、顧客を誰に置くかは最も重要な決定事項のひとつである。
そして、それを見極めた上で、ビジネスを遂行するためのシステムを設計することになるのである。
ビジネス・システムとは、企業活動を構成する機能同士のつながりを、具体的に業務としてどう設計するかであり、機能の連携によって事業で成功するための重要成功要因をどのように実現するか、という実践的な企業活動である。
その企業活動を行うために、どのような業務プロセスを採用するか、どのような組織を整えるか、どのような評価制度や人事制度が必要か、情報システムとして何が必要かなど、個別に、具体的なところを設計することなのである。
次節以降では、ビジネス・モデルの概念を念頭に置いた上で、経営戦略を成功に導くための重要成功要因分析、それを実現するためのビジネス・システム分析の順で説明をしていきたい。
CSF分析で成功への道筋をつけるここでは、重要成功要因分析の説明をしていこう。
重要成功要因とは、簡潔に述べると「競争優位を確立するためには、何ができればよいか」を定義したものである。
要するに、「これとこれとこれが実現できれば、他社と差別化することになり、自分の企業は成功できる」と言えるものを突き止める。
「これ」にあたるのが重要成功要因であり、それを明らかにする分析手法がCSF分析である。
CSFにも段階がある。
経営戦略レベルで何を確立すればよいのかが一番上にあり、それをブレイクダウンして、最終的には具体的に何を達成しなくてはならないのかという目標にまで落とす。
例として、物流業務を取り上げるが、戦略の段階でどういった顧客を自分たちのターゲットにするかを定めたとすると、オペレーションのレベルでは実際に顧客にどういったサービス品質を約束するかがポイントになる。
たとえば「全国二四時間配送」などである。
これができれば、ターゲット顧客にとっては他社では得られない魅力となり、競争優位に立てる達成目標が何かを明らかにするのである。
次は、達成目標を実現するためには何ができなければいけないかということを、物流の機能のなかでブレイクダウンしていく。
さらにその結果として、物流システムが実現すべき機能と達成目標が何かというところまで行き着くのである。
それでは、ターゲット顧客を誰にして競争優位を何に求めるかが異なることを具体的に説明するために、ひとつの例を紹介したい。
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